イジメ返し3

「翔平くーん、ダメだよぉ。タバコは禁止でしょ~?」

突然、くわえていたタバコをスッと奪われる。

カンナは煙草をアスファルトに落とし、グリグリと足で踏みつぶした。

「翔平君のこと、美波ちゃん探してたみたいだよぉ~?早く連絡してあげたらぁ~?」

「後でいい」

ずっと美波といると息が詰まる。

高校に入れば美波との関係は断ち切れるような気がしていた。

けれど、美波が俺と同じ高校への進学を決めた時、希望は儚くも散った。

「カンナねぇ、美波ちゃんに聞いたことがあるんだぁ。翔平君と美波ちゃんがどうして付き合うことになったのか。二人ってお互いが好きになって付き合ったんじゃないんでしょ~?」

カンナは柔らかい笑みを浮かべながら首を傾げる。

「中1のとき翔平君、美波ちゃんにケガをさせちゃったって本当?」

「全部、美波に聞いたのか?」

「うん。美波ちゃん、言ってたよ。翔平はあたしとは絶対に別れられないんだって。弱みを握ってるって言ったけど、それってケガのこと?翔平君が美波ちゃんにケガをさせちゃったからそのせいで翔平君は美波ちゃんにしばりつけられてるの?」

「それ、美波が言ってたのか……?」

顔が引きつる。

ずっとあいつが俺に対して優位に立つことにいら立ちを感じていた。

あのケガさえさせなければ、俺は美波と付き合うことなんてなかった。

常に美波と一緒に過ごしていたせいで、一時は確かにアイツに愛情を抱いていたかもしれない。

でも、今は違う。どうしてアイツに俺がいつまでも縛られなくてはいけないのかという理不尽な気持ちが沸き上がってくる。