イジメ返し3

「私がカンナちゃんの力になるなんていったらおこがましいけど、私にできることなら何でもするよ」

目を閉じて息を吸い込む。

もうずいぶん前にとっくに捨てたはずの感情が膨らみかける。

いけない、と慌てて蓋をする。

何もかも捨てたんだ。

今さら後戻りはできない。

この学校に転校すると決めた時には、もう運命は決まっていた。

カンナが今、ここですべきことはただ一つ。

美波やその家族にイジメ返しをすることだ。

ううん、それだけじゃダメ。

美波と同じように人をイジメて傷付ける奴らに徹底的にイジメ返しをする。

やられたらやり返す。

やられた分以上の苦痛を与えてやる。

神様なんてあてにならない。

この世は、善人が損をして悪人が得をすることも大いにありうる。

いや、その方が多い。

美波達家族のように、他人に迷惑をかけている傲慢で自己中心的な奴らほど有益な人生を過ごしている。

神や法律が弱者を救済してくれると思ったらそれは大間違いだ。

やり返されて、死ぬほど後悔すればいい。

どれだけのことを自分がしてきたのか。

絶望と後悔の中、その罪の重さにカンナが気付かせてあげるの。