「迷惑なんてかけられたことないよ。むしろ、カンナちゃんになら迷惑をかけられたっていいの」
「それはダメだよぉ、桃ちゃん」
くすっと笑うと、桃ちゃんは決意したような表情を浮かべた。
「カンナちゃん……、私に何かできることはないかな?」
「えっ?」
「私ね、ずっと考えた。幼稚園のとき、カンナちゃんはいつも私を守ってくれた。いつだって味方でいてくれた。美波ちゃんにイジメられてるのを周りのみんなは見て見ぬふりをしたのに、カンナちゃんだけは違ったよね?」
「……そうだったっけぇ?カンナもうあんまりよく覚えてないの」
「カンナちゃんが覚えていなくても、私は全部覚えてるよ。カンナちゃんの優しさも温かさも。した方は覚えてなくても、してもらった方は覚えてる。カンナちゃんの存在が私にとってどれだけありがたかったか……」
「桃ちゃん、大げさだよ~!カンナはただ、許せなかっただけ。傲慢で意地悪で卑劣な美波ちゃんのことが。ただそれだけ」
ゆっくりと歩きながら、屋上の緑色のフェンスの網目に指を絡める。
ママを苦しめ、死に追いやったアイツらが憎いだけ。
「今度は私がカンナちゃんを助ける番だよ」
隣にきた桃ちゃんの視線を横顔に感じる。
「それはダメだよぉ、桃ちゃん」
くすっと笑うと、桃ちゃんは決意したような表情を浮かべた。
「カンナちゃん……、私に何かできることはないかな?」
「えっ?」
「私ね、ずっと考えた。幼稚園のとき、カンナちゃんはいつも私を守ってくれた。いつだって味方でいてくれた。美波ちゃんにイジメられてるのを周りのみんなは見て見ぬふりをしたのに、カンナちゃんだけは違ったよね?」
「……そうだったっけぇ?カンナもうあんまりよく覚えてないの」
「カンナちゃんが覚えていなくても、私は全部覚えてるよ。カンナちゃんの優しさも温かさも。した方は覚えてなくても、してもらった方は覚えてる。カンナちゃんの存在が私にとってどれだけありがたかったか……」
「桃ちゃん、大げさだよ~!カンナはただ、許せなかっただけ。傲慢で意地悪で卑劣な美波ちゃんのことが。ただそれだけ」
ゆっくりと歩きながら、屋上の緑色のフェンスの網目に指を絡める。
ママを苦しめ、死に追いやったアイツらが憎いだけ。
「今度は私がカンナちゃんを助ける番だよ」
隣にきた桃ちゃんの視線を横顔に感じる。



