この気持ちは届かなくても






「あれ、本当に付き合ってくれるんだ」



声の聞こえる方向に振り向いた。




玄関で待っている坂上くんを見つけた。






「え!まさかあれ冗談だったの?!?!」




「いや、まさか来るとは思ってなくて」







「劇、見たいからだよっ!!」









「劇かよ....」



なんかボソッと呟いたが、聞こえなかった。



「なんか言った?」




「....なんでもない」




そう言い、そっぽ向いた。






「で、どこに行くの?」






「いや、別にどこでもいいけど」




決めてないんですか....






「じゃあ、甘いものとか....好き....?」



「苦手」




キッパリと答えが帰ってきた。


に、苦手なのか。





んー、じゃあどうしよう。


坂上くんが好きそうなものって、なんだろう、




そんなことを考えていると、突然、坂上くんが歩き出した。




「え、どこ行くの?」



「ケーキ屋」





ケーキ屋....?

え、空耳じゃないよね。






「行きたいんだろ、さっさと来ねぇと置いていくぞ」






冷たいけど、どこか優しい。





私は、慌てて追いついた。

なんか、坂上くん......





「なんか、優しくない...?どうしたの?」





「うるせーよ」