この気持ちは届かなくても

文化祭まであと、3日。


朝や、放課後をつかって準備にとりかかる。



「陽菜美ちゃーん、ガムテープってどこ?」



「あーそれは、準備室にあるから....私取りに行ってくるねっ」




小走りで、教室から出る。



あー、学級委員が文化祭の実行委員もやるなんて、大変だなぁ。

めっちゃ忙しい。






でも.......智也と一緒だから嬉しいや。





「わぁっ!」



周りを見ていなくて、曲がり角で誰かにぶつかってしまった。


いたた....



「わるい、立てるか?.....ってお前かよ」


相手がわかった瞬間、差し出した手を引っ込める。






「坂上君!?って、それより私に対して態度酷くない?」




坂上くんを見ると、少し汗をかいていた。



どうしたんだろう.......?





「晴人く〜〜ん!!」


「おーーい、坂上く〜〜ん」



向こうで、坂上くんの名前を叫ぶ声が聞こえた。



「ねぇ、呼ばれて....」


「こっち」



私の腕を引っ張り、空き教室に入った。



「なんで、隠れるの?」


「今、文化祭の劇で着る服のサイズをはかってるけど、逃げてきた」



「何で逃げる必要があるの?」



「......役が.........ら。......」



ボソッと呟いて、何を言っているのかわからなかった。

それに顔も、少し赤く見えた。




「え?何って言ったの?」



「だからっ、役が女役だから.....」


それは予想外の答えだった。



「女役!?....ぷっ、本当になったんだ!あははっ」




「お、お前な.....」


めっちゃ睨んでるよ、、怖




「だ、大丈夫!絶対、似合うって!!」


「褒めてんの?それ」


うわ、もっと怖くなってるよ.....




「だから、文化祭は嫌いなんだよ」



大きなため息をつきながら、ぐったりしている様子。


相当、嫌なんだな..



「そっちは、順調?」


「んー、実行委員はやっぱ忙しいよー。買い出しとか、後からだとめんどくさいからこの間、智也と行ってきたんだー。いや〜楽しかった」



「え、二人で?」


「う、うん」




えっと、、なんか冷たい空気が流れてる。


「文化祭、大変だけど、わたし坂上君の劇、見たいな。嫌だと思うけどお互い頑張ろうよ」




「そんなに、見たい?」



「う、うんっ!」






「じゃあ今日の放課後、つき合えよ」


「..........ん?ええ?!何で?!」



「見たいんだろ?放課後つき合ってくれたら、やってあげるよ」



そう言い、その場から立ち上がった。



「え、私まだ“オッケー”だなんて言ってないけど!?」



そんな言葉も届かず、坂上くんはいつの間にか出て行ってしまった。



はぁ、もうこれ強制じゃんか...



でも、劇も見たいし.....