帰りの車で

「ねぇ~唯ちゃん。
明日か明後日……ご両親に、連絡取れない?」

「う~ん。ここのところ帰って来てないから……
どうして??」

「"近いうちにお話しが、したいです"って…
伝えて欲しいんだよね。」

「えっ??」

「あっ!別に"お嬢さんを下さい"って言う訳じゃないよ。
それは、唯ちゃんの気持ちがちゃんと固まってからね!
もう一度……プロポーズしてからでないとね。
ただ、一回お会いして"お付き合いしてます。"って
ちゃんと挨拶しておきたきたくて。
唯ちゃんがオレと会ってる時に帰られたら
心配されるだろうし……ねっ!」

何だかんだ含みのある、言い方と顔に戸惑ったんだけど

唯のお家の事情を、全て知ってる先生だから……

きっと何か考えがあって、言ってくれてるはずだもん。

………お任せしたの。

無理に明日じゃなくても、今連絡した方が早いと思って。

直ぐにメールをしてみたの。

"二人に逢って欲しい人がいます。
都合の良い日を教えて。"って送ったら

折り返し二人から電話が来た。

こんなに直ぐに連絡がくるなんて……正直、びっくりした。

まだ唯の親だって自覚……残ってたんだ。

"明日の夕方に、時間を作ってくれるらしいよ"って伝えたら

「唯ちゃんの事が心配なんだよ。大切にされてるね。
………良いご両親だ。」って

うん!

久しぶりに二人が親なんだって…思えたよ。