着替えを済ませてリビングに行くと

寝起きの良い二人に迎えられた。

「「お腹すいたよぅ~」」

すっかりいきの合った二人に笑いながらキッチンに立つと

唯の……お鍋やフライパン、お揃いの食器。

ここには、唯の欲しかった幸せが詰まってる。

一人で食べる味気ない食事も

暗く寂しい夜も……存在しないの。

昨日も一昨日も…………

一人で寝かさなかったのは……先生の優しさ。

心も頭も全てに……『一人じゃないよ』って教えるため。

安心していいよ。大丈夫!

って……お家全部で伝えてくれる。

……………。

寂しくも……悲しくもないのに……

涙が溢れて止まらない。

寝る前

『おやすみ』の後に聞こえた先生の呪文。

擦る手と、同じリズムで優しく耳に届く。

"一人じゃないよ。みんないるよ。"

"オレは何があっても……離れないよ"って…

ひょっこりキッチンに現れた先生に

「誰に泣かされたぁ~?」って…

一応「玉ねぎ」って答えたけど

それでも優しく抱きしめて来る。

「嬉しい?悲しい?」って…涙の訳を聞かれたから

「嬉しい」って答えたら、ほっぺにチュッて……