夕方には到着し、そのまま珉珠の母の所で全員が合流した。

「この度は、本当に申し訳ございませんでした」

慶太を見るなり、珉珠は深々と頭を下げ謝罪した。

「君のせいじゃない。身から出た錆だ。自分が至らないために、解任まで追い込まれたんだ。君に落ち度は一ミリだってない、だから堂々としていてくれ。参列客も理解してくれているはずだ。それに今はそれどころじゃない。一刻も早く由弦を探さないとな」

思いやりのある言葉、少しだけ、前の慶太に戻ったように思われた。

一条は、早速動き出す。

もしかすると、由弦が現れるかもしれないと、慶太側には、珉珠の母の所で待機させた。

他は、その付近を捜索した。

珉珠は博覧会のことを思い出し、良才市民の森へ行ってみた。

いつか由弦と来たいと思っていた場所。でもそこにも由弦の姿はなかった。

落胆する珉珠。

そこに慶太から、由弦の宿泊先が分かったと連絡が入る。一同そこに合流した。

その情報をくれたのは、椿氏だった。

みんな意外だった。ここまで協力してくれる意図は何なのか?と。

それに、かなり力の持った人物だと分かった。

皆は、由弦が泊まっていたと思われるホテルの一室へ。

やはり、その宿泊先にも由弦はいなかった。

チェックアウトしてないのなら、また戻ってくる可能性もある。

一条は、何か手掛かりになるものはないかと、その部屋を色々と探し回った。

洗面台に行くと、何か燃やされた跡がある。

そこへ、珉珠と仲里も入って来た。