珉珠の母は、前からこの結婚を認められないと反対していた、だから今日の結婚式も出席はしなかった。

そんな母から、「今、式の真っ最中かしら。今でもこの結婚には反対よ?でも反対しているとは言え、やっぱり母親として一言伝えて置きたくて。あなたのウェディングドレス姿、きっと綺麗なはずよ。その姿を見られないのは淋しいけれど、幸せになりなさい」とメッセージで送って来た。

そのあとに、思い出したことがあったらしく、

「そう言えば、あなたの誕生日の日に電話したあと、その夜、ジュン君が来てくれたのよ。ほら、ボランティア活動を一緒にしてくれた、イ・ジュン君よ?大きくなって立派になってたのよ~素敵な青年になって!一晩泊まって行ったけど、挨拶もなしに、顔見ると辛くなるからって書置きして、朝早くに出て行ったのよ。あなたの誕生日に、何だか不思議な日だったわ」

と続けて送られて来た。

珉珠はそれを読むと、慌てて母に電話をした。

「私の誕生日の日にジュン君が来たってほんと?」

「ほんとよ?」

「そんな……母さん、その子が、その人が、私が言ってた彼のことなの!高柳由弦さん!」

母はとても驚いた。

珉珠は簡単に母に状況を説明すると、

「知っていたらな、すぐに連絡したのに」と悔やんでいた。

電話を切ったあと、事情を聞いた一条は、ボランティア事務所を経営するおばさんを、珉珠の母親と知らないのなら、もしかしたら、また珉珠の実家に行くかも知れないと考え、急いでプライベートジェットを飛ばした。三人は韓国へ。

このことは弦一郎と慶太にも連絡をした。

結婚式を突然中止にしたことを、参列客に説明し終わった時だった。

この土壇場になって、取り止めの報告をした時、式場は騒然となったが、慶太をはじめ、弦一郎も雅羅も、深々と頭を下げて、必死で謝罪した。

最後の参列客が帰ったあと、息つく暇もなく、慶太もプライベートジェットを飛ばして韓国へ。