漢江のほとりで待ってる


二人きりになった病室。

気持ちを確かめるように、しばらく見つめ合った。

「もうどこも痛くない?」と珉珠。

「ん~、手術した傷跡がまだ少し痛いかな」

「あら、そうなのね、可哀想に。痛みを吸い取れるものなら取ってあげたい」

「今は青木さんといるから不思議と痛まないよ」

「そう?ほんとならとても嬉しい」

「ホントだよ!」

「じゃぁ、私お医者さんよりすごい?」

「うん!凄い!オレ的特効薬!」

「私にとっても、あなたは疲れを吹き飛ばしてくれる、癒し的存在よ」

二人は笑った。

「あ、そうだ。由弦に聞きたいことがあったの」

「何?」

「これ~なんだけど」

そう言うと、あの由弦の部屋にあったパク・ジュウォンの名前の領収書を、バッグから取り出して見せた。

「あなたの部屋を掃除しに行った時に見つけたの。勝手に持ち出してごめんなさい。でもなぜあなたの部屋にこれがあるのか知りたくて」

「あぁ~これね?話せば長くなるけど、オレが始めたボランティアの一つなんだ」

「えっ!?どういうこと!?」

珉珠は由弦のまさかの答えに、動揺を隠せなかった。