漢江のほとりで待ってる



珉珠が由弦のいるICUに行くと、何やら慌ただしかった。

由弦は容態が急変し、痙攣を起こし、不整脈となり、顔は青白く、血圧も低下し、医師や看護師が駆け付け、心肺蘇生が施されていた。

それでも血圧は戻らず、医師が電気ショック法を促した。

一回、二回、ラスト一番強い電気ショック作動。

珉珠の目の前で由弦はのけ反った。そして何とか命の危機を脱した。

「バイタル安定しました!」看護師の言葉。

生きた心地がしない珉珠。

「ごめんね?由弦。傍を離れたばっかりに……」

左側頭部には、ホッチキス針で止められている。見るからに痛々しい。

変わり果てた彼の姿を見ると、涙が込み上げ、声を殺しながら泣いた。

病院からの連絡で、慌てて弦一郎と一条の二人が駆け付けた。

「由弦は!!」弦一郎が入るなり叫んだ。後に続く一条。

「先ほど落ち着きました」

その声に振り向き、涙を拭いて答える珉珠。すぐに由弦の方を向き直して彼の手を握った。

しばらく三人は由弦を見つめ、無言のまま過ごした。