漢江のほとりで待ってる



「はぁ~、馬鹿げてる。由弦は、専務は後継者なんて望まない!」

「えぇ!それは分かっています。あいつがそんなヤツではないことは、親友の私がいち……よく分かっています!今の話は、事実ですが、確証がありません。それを証明するために高柳弦一郎氏と慶太氏のDNA鑑定をしたい、だからあなたに、慶太氏の検体を採取してほしいんです。髪の毛、飲んだ後のコップ何でもいいんです!お願いできますか?」

「やってみます!いえ、絶対に手に入れます!」

「由弦をここまで追い込むということは、ホントにあの二人、何をするか分かりません。先手を打って来るならその先を行かないと」

「はい、それも分かっています」

「ではお願いします!……ところで、素敵な腕時計ですね?」

何気に珉珠の左腕にはめられた腕時計を見た。

そして一条は、同じものを由弦がはめていたことを思い出し、由弦と彼女との関係が憶測から確信に変わった。

「あぁ、ありがとうございます。彼とお揃いなんです。誕生日に私がプレゼントしたペアウォッチ」

「なるほど~、あいつにしたら珍しいデザインのをしてるなと思ってたんです。高柳じゃ絶対選ばないセンスのいい時計だったんで、納得です」

「そうですか?嬉しいです」

珉珠は腕時計を、愛しそうに触れながら眺めていた。