漢江のほとりで待ってる



そして慶太は、せっかく韓国まで来たからと、あえて珉珠の父の墓参りをして帰りたいと半ば強引に二人を誘った。

墓参りを済ませ、珉珠の母親の家に帰り、そこでも由弦の写真が飾られていた。彼女の母と一緒に楽しそうに写っている。

珉珠と母親は、その少年が、由弦だと気付いていない。

慶太もまだそれが何を意味するか分かっていない。

ただ自分の行くところ行くところに必ず由弦がいることに、いちいちイライラさせられた。

その頃、部屋にいる由弦にメッセージが届く。

「高柳慶太と青木珉珠は二人で結婚の挨拶に韓国へ行った。仲睦まじく、珉珠の父の墓参りもした。お前が二人の間に入る余地はない」

送り主は不明。

独りきりで部屋で過ごす由弦に、その文字の攻撃は、ぎゅ~っと胸を握り潰されるような、大きな打撃を食らった。

「はぁ~」

―――― もうどうでもいい!いちいち知らせないでくれ。オレには関係ない!

ベットに横たわり、溜息を吐きながら、寝返りを打っても、胸の苦しさや切なさは消えない。

一方韓国では、慶太は急ぎの仕事があるからと、一人先に日本へ帰った。

珉珠に、母親とゆっくり過ごすようにと言い残して。