シェヘラザード、静かにお休み


毛布から手が出ている。

「じゃあご両親にはお話しない方が良いですね」

「……ああ、そうしてくれ。俺の隣の部屋を使わせる」

シーラを抱き上げて、階段を上っていく。カップの中には、残されたコーヒーの黒が沈んでいた。








ルイスは頭を抱えた。マリアはその様子を見ていた。
起き上がったシーラは夕食を取って、ラジオのチャンネルを回していた。

食卓テーブルに戻って、テレビをつける。

「ラジオの方が詳しいわ」

テレビの音とラジオの音がぶつかっていた。シーラの言葉に、ルイスはテレビを消す。