マリアの推理は当たっている。このままでは追い詰められて終わる可能性が多いにある。
「俺が城を辞めるときにちょうど爆発が起こって、近くを通ったシーラを拾ってきた」
「……そうですか。でも、シーラさんにもご家族がいるのでは? ここに留まるのは結構ですが、ご家族が心配しているでしょう」
「彼女は孤児院育ちだ」
さっとマリアの顔色が変わる。窓の外から柔らかい風が入ってきた。
緑の香りが胸をムカつかせた。
「シーラさんは、ルイスさんのご友人で間違いはないんですよね?」
その確認に、ああ、と返事をする。衣擦れの音がして、シーラの方を振り向いた。



