シェヘラザード、静かにお休み




昼食を取り終えて、食後のコーヒーを飲む。

「……そうですか、そんなことがお城の方で」

マリアは手を組む。

「こっちは変わりないか?」

「ええ、驚くほどいつも通りです。一休みついたらお母様へ連絡を入れてくださいませ。昨夜、とても心配する電話がきたんですから」

「はいはい」

「それで、ルイスさんのことは分かりましたが、シーラさんの話をお聞かせくださいな」

う、とルイスはカップを持つ手に力が入った。
その追及から逃れることは出来ないらしい。

どこまで話すべきか。どこまで濁すべきか。