シーラもルイスも生まれるずっと前、この地球はとても豊かだったという。

水、電気、ガス。全てが満たされ、消費されていった。減らない物なんて世の中にないのだ、と人類が気付いたのはいつだったのだろう。

資源を巡っては人類は幾度も争いを起こした。その成れの果てに二人は生まれ、この王国はなんとか生活していく程の資源を手にしていた。

しかし、それも束の間。

王国が崩れ始め、治安維持が難しくなった。いや、殆ど保ってはいられなくなった。

富裕層は満たされた生活を、貧乏人は貧しい生活を。

勿論、王族が一番良い暮らしをしていたのは言うまでもない。