牢の中の高い場所にひとつ小窓がある。そこから射す日の光が、ベッドの一角を照らしている。
そこを避けるようにしてシーラは座っている。
影に潜むように。
「食事を取るのを条件に、何を提示させるつもりだ」
「そんなつもりは無いけれど」
「お前は賢い」
シーラは目を丸くした。ルイスは横にあった机に肘をかける。
射しこんだ光に、埃が舞っているのが見えた。
「賢い。そんな風に私を評価したのはルイスが初めて」
極めて冷静に、そう言葉を紡いだ。シーラは喜んでいる素振りは見せない。
昨日、下品だと話したのと同じ態度。



