その瞳の青は空の青よりも石の青に近い。ルイスは首を回した。
「絶好の機会だったろ。俺が眠っている間に金目のものを奪って逃げても良かった」
「私がそんな下品なことをすると思う?」
シーラはさも心外だというように首を振って見せた。
しかし、嘘は吐いていた。
ルイスの起きる数時間前には起き上がり、車の中のものを物色していた。
財布はあったが、それ以外に金目のものは特になし。調理で使う為のサバイバルナイフを除けば、寮に置いていた荷物の中から見つけた拳銃が一丁だけ。
そして、こんなに身を寄せて眠ったというのに、平気な顔をして眠れる性質。



