「もう遅いし、雨も降ってる。無理だ」 「じゃあ私が運転する」 「やめてくれ。やっと戦場出てきたのに、お前の運転で死にたくない」 「失礼ね!」 ルイスは面倒くさそうに身体を起こし、後ろに積んでいた荷物からショートブレッドの入った箱を手に取る。 それをシーラへ放った。 きちんと受け取ったシーラはそれを見て、顔を歪めた。 「なによこれ」 「夕飯」 「まだ牢屋の中の方が良いものが出たわ」 「食べなくても良い」 ルイスは溜息と共に言った。箱からひとつ取り出し、口に咥える。