シェヘラザード、静かにお休み


少女の父親は困ったような笑顔を見せて、少女の向こうで聞いている妻へと視線を投げた。

「二人は仲良く暮らしたんだ」

「ええ! 曾おばあちゃまが言っていたわ! 仲良く暮らしましたで終わる物語なんて、ほんとうはないって!」

抗議の声があがる。

「確かにそうかもしれないが、二人はじゃれ合いながらも楽しく暮らしていたって、僕は聞いたけどなあ」

「その話っておばあ様から聞いたの? それともおじい様?」

「両方から聞いたから、間違いないと思うよ」

少女は頭上でなされる会話を聞いて、唇を尖らせた。