シェヘラザード、静かにお休み


回転速度が緩やかに落ち、ルイスはそのままシーラを抱きしめる。

「覚えていてくれたのね」

「家の中で暴れられても困るからな」

「もしかして、私をぐるぐるしてくれる為に、ここまで来たの?」

どんな答えを求めているのか、分からない問いだった。

「それは違う」

「そこは普通に肯定するところよ」

「シーラの姿を見たら、それを思い出した」

見るだけで、聞くだけで、いるだけで。
過去は、優しく包み込むことはない。

本当に、ただそこにあるだけか?

「……ずっと前、飼い猫を捜していたら、男の子が目の前に現れたの」