願いに対しては断る権利がある。しかしアメリアはきちんと叶えた。
「牢屋生活も結構楽だったなと、思っただけよ」
「もしかして、私に会いに来てくれたんですか?」
アメリアの身長は少し伸びていた。まだ十代なのだ。これから身長だけでなく、多くの伸びしろがある。
「どうかしらねえ」
牢屋から出たシーラは、アメリアの隣を歩く。
「単に離れる口実が欲しかっただけなのかも」
「ルイスさんと?」
その質問に、シーラは答えなかった。
「そういえば、イーサンはくっついていないの?」
いつもアメリアの後ろにいたイーサンの姿がない。