寮の食堂に行くと、ルイスを待ってましたとばかりに同僚が隣に座ってきた。 「お前が見てる女、結構やばい奴らしいな」 「何が」 サラダにフォークを突き刺してルイスは尋ねる。 毎日一緒にいるとやばい奴も普通に思えてくる。同僚はテーブルに腕をついて答えた。 「上じゃあ魔女の血を引いてるって専らの噂だぜ」 「魔女?」 「そう。北の孤児院では魔女の血を引く子供が多く育てられてたらしい」 朝、シーラの牢屋にだけ茂った植物を思い出す。 それからふっと笑った。 「あるわけないだろ。魔女って」