視線がシーラの方へ定まり、やっと話す順番がやってきた。
「その前にこれ解きなさいよ、あと椅子。私は同じ目線の相手じゃないと、話し合いには参加しないわ」
女は一度オリバーに視線を送る。「外してやって、椅子も」と短く答えた。
斯くして、シーラは書斎机の前に置いた椅子に座った。
脚を組み、腕を組み。
今のこの国の覇権を握っていると言っても過言ではない男の前で、この態度だ。
オリバーはそれを見たが何も言わず、机に頬杖をつく。
「で、君はどうして王女様と一緒にいたの? つか、どこ行こうとしてたんだ?」
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