だからか、少しだけ笑えた。 こんな状況でも。 「ええ、頼りない案内役で申し訳ありませんが」 「いいえ。城のことは私たちが誰より分かっています。むしろ頼ってください」 それは頼もしい。 ルイスも、少しだけ笑った。 一方、目隠しをされたままシーラは腕を引っ張られていた。腕も後ろで拘束されており、されるがままだ。 扉の開く音。そこに入れられた。 「ボス、連れてきました」 女が話す。シーラ担当……ではなく、王女担当なのだろうか。 ずっと同じ女が近くにいる。 「ああ、早かったな」