思えば、アメリアも王女であるし、イーサンもその執事だったのだ。
あの城の王室のソファーに毎日のように座っていた。
身分の違いを、ルイスは今まであまり感じたことはなかった。
スクールにもカレッジにも、周りは似たような境遇の人間が多かった。
この歳になって、こんな風に色んな人間と関わるとは……。
いつの自分が想像しただろう。
「それなら、最初から知っていたんですね」
「ええ。そちらが話さないので、何か意図があるのだと思い、こちらも黙ってました」
しれっとイーサンは言ってのけた。
まあいいか、とルイスは前を見る。



