あんな革命が起こっている中、シーラとルイスは逃げてきたのだ。
シーラに至っては、処刑前にそれが起こったのだ。確かに、悪運が強い以外に言い方がない。
「そうですね。シーラの悪運に乗っかろうと思います」
「ええ、お気をつけて。どうか、皆さんに怪我の無いよう」
ルイスは車に乗り、玄関から見送るマリアを一度見て手を上げる。
「あの方が、マリアさん?」
「はい。マイケルの嫁であるエミリーの母親にあたります。エミリーが生まれる前から別荘のハウスキーパーをしてくれています」
マイケルのことをマリアには言わなかった。言ったところで不安を煽るだけだ。
エミリーもそれを望まないだろう。



