車の扉を開けて、イーサンは嘲笑を浮かべた。

いつからシーラをこんなに買い被るようになったのだろうか。

「城に向かいます。シーラもオリバーもそこにいるでしょう。死んでいなければ」

「……すみません、私の所為で」

アメリアの言葉に、ルイスはミラーを整えながら答える。

「シーラは何本か面白い話を用意していけば許しますよ」

エンジンをかける。

そして、少しばかり後悔するのだった。
やっぱり手を離すべきじゃなかった。

あと、あの夜どれだけ殴られようと抱いておけば良かった。