階段から降りる音に振り向きその先を見た。
「どの部屋にもいない……というか、俺たちが使った部屋以外は使われた形跡もないです」
イーサンが言う。その後ろを歩くアメリアは顔を暗くしていた。
「王女と間違って攫われた可能性が高い」
ルイスは躊躇わずに話した。
「オリバーの仲間にだ。マイケルはそれに脅されて加担していた」
「……ルイスさん」
「全て仕組まれて、機会を窺われていたんだ」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思うか!」
吠えた。イーサンは無意識に手をアメリアの方へやっていた。危険だと判断したのだ。



