シェヘラザード、静かにお休み


フードを被ったままワケを話したので、マイケルは完全にシーラのことをアメリアだと思っているようだった。

アメリアとイーサンが泊まった部屋まで行き、ベッドや水場を中心に探す。

「探し物はございましたか?」

女の言葉に、シーラは顔を上げる。若いメイドがいた。

驚きよりも違和感が勝った。身体を後ろに下げるが、壁にぶつかる。

可笑しいと気付くべきだった。メイドがいるのに、"どうして主人が先に"玄関の扉を開けるのだ。

「誰?」

「私どもはオリバーの使いでございます」

その言葉と同時に近くの窓が開き、数人の男が飛び込んできた。