「ちょっと忘れものを……。取りに行ってきます」
「ここでお待ちください、私が行ってきます」
歩き出そうとしたアメリアを止めて、イーサンが行こうとする。
「だめです! 私が行きます!」
「……一体何を忘れたんですか?」
怪訝な顔をしたイーサン。アメリアは俯き、ルイスはそのこう着状態を見ていた。
「私が代わりに行くわ。その上着を貸して」
シーラの申し出に、アメリアは申し訳ないやら情けないやらで、渋々上着を渡す。
羽織りながら、何を忘れたのか尋ねた。
フードを被れば、ほとんどアメリアかシーラか分からない。



