シェヘラザード、静かにお休み


マイケルは紙袋をルイスに渡した。

「少しばかりだけれど、食料だ。これからこの国がどんな事になってしまうのか分からないが……、次は良い酒を用意しておく」

「ああ、楽しみにしてる」

ルイス以外の三人も口々に礼を言い、車へ向かう。
トランクに荷物を詰め込み、ルイスは最初に助手席の扉を開けた。

シーラは久々にその動作を見て、抗議しようと口を開ける。

「ひとつ、聞きたいことがあるんだ」

いつになくルイスが真剣な声音で吐くものだから、その口を閉じた。

そこで、アメリアの思い出したような声が響く。
三人の視線がアメリアに集まった。