そんなことを言われるとは思わなかったので、シーラは眉を顰める。
「どこか、得体が知れないというか。私は人を見る目がないから、自分の目を信用できないのだけれど」
「あら、そこに立つ男を前にしてそんなことを言うなんて、贅沢なものね」
イーサンの方は見ずに、左手の人差し指を後ろに向けて悪戯な笑みを見せた。
「イーサンは私が選んだんじゃなくて、ついて来てくれたんですよ」
「へえ。それなら貴方はやっぱり恵まれているわ」
「そうかもしれない。私は恵まれてる、生きてここまでくることが出来た。そして、まだ出来ることが残っている」



