肘掛けに手を置いて、シーラは続ける。
「オリバーは兎も角、国民に聞かせるのは王女様の声の方が届くわ。だから話をすり合わせておきたいの」
「ええ、お願いします」
「あと、ひとつ単純な質問なのだけれど」
アメリアはシーラの瞳を見た。青く澄んだ瞳に、吸い込まれるより前に尋ねられた。
「貴方は、叔父であるレオナルド殿下を殺す覚悟はある?」
「え……?」
「きっと対立するわ。貴方の平和主義と、向こうの戦争主義では相容れない。王女様はどうして隠れた生活を止めて城に向かったの?」
「……一人でも、亡くなる人を無くしたくて」



