落ち着け、落ち着くんだ。 「思い出した。確かに俺はあの家に行ったことがある、でも相手はシーラじゃない。別人だ」 言っていて、心の中で考えていた。 婚約者の話を、シーラにしたことがある。 牢屋の檻を挟んでいた頃だ。 シーラに婚約者がいるかどうか尋ねたが、ノーと返ってきた。 「……そうか? そうかもしれないな……」 マイケルも自らの記憶に自信を無くしたらしく、ルイスはこの話は止めようと提案した。 それに、もしもシーラがガードナー家の人間だとしたら、どうして孤児院に行く必要があった?