それとも何か意味があってしなかったということなのか。
「何か特徴……あ、裏庭に大きな木があって、そこにブランコが吊るされていた。小さい頃はあれがとても羨ましかったんだ」
「ブランコ……?」
臙脂色のワンピース。白い襟。にこにこと笑う顔と、こちらに伸ばされた手。
少女の腕の中で静かに眠る、白い猫。
ドクドクと、心臓がいつもより多く拍動する。
何故それを今思い出したんだ。ルイスは脳裏に浮かんだ記憶を疑う。
少女が座っていたのは大きな木の枝からおりるブランコだった。その腕の中で、白い猫が眠っていた。
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