シェヘラザード、静かにお休み


「今日のことなのだけれど」

愛しすぎて食べてしまいたくなる。





マイケルが用意した朝食を取り、アメリアとイーサンはすぐに部屋へ戻った。

シーラも廊下の窓の外の様子を見ながら部屋へ向かう。ルイスはマイケルとコーヒーを飲むことになった。

「やっぱり彼女、あの家の子だろう」

誰の話だ、とルイスは目をパチクリさせた。良い歳して可愛くない仕草である。

マイケルは声を潜めた。

「ガードナー家の。俺の実家の近くに家があって、ルイスも行ったことがあるぞ」

「主語がない」

「シーラさんだ。彼女、シーラ・ガードナーだろ」