シェヘラザード、静かにお休み


迷子のルイスを森から守ったのは、もしかしたらその狼の守り神だったのかもしれない。

「いや待ってくれ。どこから俺の話になったんだ」

「ルイスが自然が好きと言ったから。森の話をしたいんだと思って」

「シーラは、どこで庭の耕し方を知った?」

ルイスの言葉に、シーラは少し困ったように眉尻を下げた。

「バニラアイスと一緒ね。どこでってそんなに重要かしら」

「知りたいんだ。良いだろう」

「じゃあ私のファーストキスの日のことも、聞きたい?」

微妙な顔をした。誰がって、勿論ルイスの方だ。
シーラは一転、得意げな顔をした。