絆されたからだ、と笑っていたルイスは何処へ行ったのだろう。
「……そうね、私の育ちは荒いし、目的の為になら何だってやるから。別に貴方がどう思っていたって構わないわ。でも、一つ言わせてもらうけれど」
劣等感の塊だと思った。
シーラはひどく泣きたくなった。
「私の何を知ってるの、貴方が」
今まで食べることに困らず、職を失うこともなく、交友関係は広くて、異性にはモテて。
貧しさとは無縁だった。
シーラは俯いて、階段を上がっていく。部屋へ来たは良いものの、ルイスと同室だったことを思い出してソファーへ身を沈めた。



