シェヘラザード、静かにお休み


すぐに閉めた。

一緒に濡れ鼠となったシーラは、ふっと口に手を当てる。

笑いを抑えられずに、あはははっと楽しそうに笑うシーラを見て、ルイスは目をパチクリさせた。

「笑ってると歳相応なんだよな」

「普通の顔が老けてるって言いたいのかしら」

「老けてるというより、綺麗な顔をしてるから。少し怖い」

怖い、と言われたのは初めてだった。

シーラは首を傾げて可愛く笑って見せる。ああ、それは可愛いけれども。

「キスでも贈ろうかしら?」

「冗談はよしてくれ」

雨が強く窓を叩く。シーラは帽子を脱いで荷物の中からタオルを取り出した。