シーラは一番後ろを歩いた。振り向くと、その後ろから一定の距離を保ってついてくる若いメイドと目が合った。
にこ、と作り笑いを見せられ、シーラは答えるように微笑んだ。
「あまりもてなせるような状況じゃなくて申し訳ないが、こことこの部屋を使ってくれ」
「嵐を車の中で過ごすより良いさ。ありがとう」
「七時頃に夕食を用意するよ。それまでゆっくりしていてくれ」
マイケルはそう言って、来た道を帰っていく。メイドもお辞儀をしてマイケルの後についていった。
残された四人。
宛がわれたのは二つの部屋。
どうするか、と少し躊躇ったのは男性陣だった。



