シェヘラザード、静かにお休み


ルイスはちら、と隣を見た。シーラはキラキラとした笑顔。

「そうかしら? 貴方の半生を語ってくれても良いのよ」

それより、いつからイーサンはシーラに対して敬語を遣わなくなった?

「危ないから前を向いててくれ」

シーラの肩を押し戻した。

「イーサンも失礼なこと言ったら駄目よ。ごめんなさい。でも、切符っていうのは?」

そこに話が戻った。シーラは明後日の方向を見て黙る。
子供か、とルイスは溜息を吐きたくなった。

「アメリア王女が居たら、きっと門は開くでしょう」

代わりにルイスが答えるはめになる。イーサンは口を開かないだろうから。