貴族の出で孤児院育ちとなると、かなり生い立ちは複雑となる。 「本人に確認してみては?」 「絶対に本当のことは言いません。簡単に嘘を吐く女なので」 「よくそんな人間と一緒に居られますね」 宿のフロントが挨拶をする。ルイスは自然に返した。 「シーラは自分の為の嘘は吐かないから」 ……自分は盛大な惚気を聞かされていたのでは? そして、この街を出るときが来た。