シェヘラザード、静かにお休み


「ごめんなさい、貴方の目がとても綺麗な色だったから……」

美しくて泣いたというのだろうか。

「王女様の瞳の色には敵わないわ」

色素の薄い髪色に似た蜂蜜色の瞳。どこかルイスと通ずるものがある。
シーラやイーサンには異国の血が混じっていた。

その美しさには、手を加えることも手を出すこともできない。

本を閉じて、シーラは壁に背中をつける。

「どうして城に戻るの? 行ったって、王女様の家族とは会えないのに」

上目遣いでアメリアを見た。

ベニトアイトは、とても希少な宝石だ。アメリアの母、女王はとてもそれを大事にしていた。