午後の忙しい時間を抜けると、シーラはやっと仕事から解放された。
部屋に戻ってシャム猫に夕飯を与えてから出る。目指すはルイスの部屋だ。
宿の入口を抜けてルイスの部屋の前へ行くと、隣の部屋からアメリアが出てきた。
フードを被ってブロンドショートを隠している。
「こんばんは」
「……こんばんは」
朗らかに挨拶をされ、シーラも挨拶を返す。
「今、ルイスさんもいないと思います。二人で買い出しに行くって」
「二人って、貴方の家来も行っちゃったの?」
「家来……じゃなくて執事なんですが」
ああ、そうだった。と、こくこく頷く。



