店の扉が開いて、フードを被った一人と男が現れた。
「いらっしゃいませ、お好きな席へ」
二人はルイスと少し離れたテーブル席へと向かう。
ルイスの元に戻ってきたシーラは、ちらと二人の方を窺った。
「脱走の計画でも立てていたりして」
悪戯な笑みを見せ、厨房へ入っていく。
まさかな、とルイスは少し振り向いて二人を見る。何かを話しているようだが、勿論内容までは分からない。
「シーラ、祭が終わったらここを出る」
ひょこっと顔を出して、シーラが親指を立てた。
了解、と心で会話ができた。行動を共にしてきた成果であろうか。



