シェヘラザード、静かにお休み


そこまで知られているのか。王族に仕える人間は出来が違う。

「貴方の予想通りよ」

「全て知っているのか?」

「北の孤児院育ちって話してる。まあどうせどこの馬の骨だから」

肩を竦めて天を仰いだ。そこでやっと星が瞬いていることを知った。

「貴方はどうしてガードナーのことを知ってるの?」

シーラが尋ねれば、イーサンも同じように空を見上げる。

まだアメリア王女が幼い頃、流星が見たいと言って聞かず、遅くまで起きていたことがあった。
結局見ることはできず、彼女は眠ってしまった。

その寝顔の健やかなこと。
それを今でも思い出すことが出来る。