城に行くにしろ行かないにしろ、近くに素性が知れた人間がいた方が何か起こったときにアメリアを任せられる。
「これから、か……」
解答は明日へと持ち越された。
イーサンは宿を出て、小さな商店へと入った。ドリンクのコーナーから水を何本か取る。
ここはいずれ出るつもりだったが、このままでいるわけにはいかないだろう。
どちらにしろ、金が底をつきる。
会計をしていると、入口からシーラが入ってくるのが見えた。
「あら、彼女を一人にしても大丈夫なの?」
すぐにイーサンに気付き、話しかける。
確かシーラの寝泊まりをしている場所はあの飲食店だったはずだ。



