信じるも信じないも、根拠がない。
シーラがここに入って2週間が経った。その間、外との連絡は全く取っていない。
雨の降らない日数を数えることは出来ても、牢屋番以外と話すことは出来ないはずだ。
「お前に情けを掛けられるようなことをしたのか、俺は」
「だってあなた、私の好きだった猫とそっくりなんだもの」
「猫?」
「カッパーの瞳が可愛かったのよ。もう死んでしまったけれど」
シーラは両頬杖をついて、ドールのように可愛い顔をして見せた。
昔から、大事にするとすぐに失くしてしまうのだ。
両親から貰ったテディベアも森へピクニックに行ったときに置いてきてしまった。



